不倫中の既婚彼の言い分
既婚彼と付き合っていたころ、私はよく彼に意地悪を言っていた。スイッチが入ると、
彼を傷つけるためだけのひどい言葉をぶつけまくった。
私の”暴走”は、彼の馬鹿正直な言動に対して私が嫉妬する、というのがほとんどだったが、私からそう仕掛けることも多々あった。
私からしれっと危ないトピック(主に家族ネタ)を話題にし、彼が地雷を踏む、というような。あれは意図的だった。
彼を嫉妬させるために、他の男性とデートし(体の関係はないけれど)、彼に逐一報告することもあった。
暴走車と化す私に対して、彼は毎回私の思惑通りの反応をし、なんとかなだめてくれる、もしくは時間が解決してくれた。彼はロマンチストというか優しいというか、女性に振り回されるのが好きなタイプなんだろうと思う。
そんな彼は私の8つ年上で、20代半ばに結婚し、美人な奥さんと子どもが二人いる。
大手企業でそれなりの地位についており、収入も多く、誰もがうらやむような場所にマイホームを持っている。
子どもの学校行事を会社のスケジュールにも入れ、仕事を休んで参加するようなイクメンぶり。
そんな、傍から見たら全部持ってるような人がなんで不倫なんてするの?
それ以上何がいるの?結局は余裕がある人の暇つぶしでしょ?
嫉妬ももちろんあったが、純粋に疑問だった。
彼の言い分はこう。
「外から見えるものだけで判断できることなんて何もない」
「毎日結婚したことを後悔してる」
「ずっと真っ暗だったけど、(私)と出会ってから毎日が明るい、自分に自信を持てた」
彼は奥さんとの関係にずっと問題があって、寂しい思いをしてきたようだった。無下に扱われ、男として自信をなくしていたようだった。
彼の私に対する気持ちは本物だと信じている。
でも、やっぱり本当は奥さんと幸せに暮らしたかったのね。それができないから外向いちゃったのね。と思うと悲しかった。
「お互いの“好き”という気持ちを大事にしたい」
「別れたくない」
彼のこのスタンスは付き合った当初から別れる日まで変わらなかった。
ここは男性と女性の考え方の違いなのかな。それとも既婚者と独身者の考え方の違いなのかな。私の言い分は付き合い当初からどんどん変わっていった。
それはまた次回に書こうと思う。